六十余州とは?なぜ68国あるのか歴史の謎と広重の浮世絵・名酒を徹底解剖

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六十余州とは?なぜ68国あるのか歴史の謎と広重の浮世絵・名酒を徹底解剖
六十余州とは?なぜ68国あるのか歴史の謎と広重の浮世絵・名酒を徹底解剖
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🎵 六十余州とは?なぜ68国あるのか歴史の謎と広重の浮世絵・名酒を徹底解剖

古典文学や歴史小説、さらには美術品や銘酒のラベルなどで目にする機会の多い「六十余州(ろくじゅうよしゅう)」という言葉。日本全国を指す風雅な総称として広く親しまれていますが、実際の古代律令国(令制国)を数え上げると「68国」存在します。なぜ正確な数を提示せず、あえて「六十余」という曖昧さを残した表現が定着したのでしょうか。

その背景には、古代から中世・近世へと至る日本の行政区画のダイナミックな変遷と、日本人が育んできた美意識が存在します。本稿では、令制国の歴史的成り立ちから、浮世絵師・歌川広重が描いた名作『六十余州名所図会』の鑑賞ポイント、さらには長崎の名蔵が醸す同名の地酒が誇る現代の評価まで、知的好奇心を満たす情報を網羅して紐解きます。

📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
  • 要点1:「六十余州」は日本全土(令制国)の総称であり、68国存在しながら「余」と称されたのは、律令制成立期の変遷や語呂の良さが影響している。
  • 要点2:歌川広重の晩年の傑作『六十余州名所図会』は、全68国+江戸+目録の計70枚で全国の景勝地を縦構図のダイナミックな視点で描写した。
  • 要点3:長崎県波佐見町の今里酒造が醸す地酒「六十余州」は、「日本全国で愛される酒に」という創業の志を今に伝え、国内外で高い評価を獲得している。

【語源と真相】六十余州の意味と由来|なぜ68国あるのに「六十余」と呼ぶのか?

「六十余州」という言葉の根底にあるのは、古代の律令制によって定められた地域区分である「令制国(諸国)」です。大日本六十余州の歴史を辿ると、701年の大宝律令制定当初から国の数が完全に固定されていたわけではありませんでした。

奈良時代初期には、国の新設や分割・併合が頻繁に行われていました。例えば、丹後国が丹波国から分立し、陸奥国から出羽国が分かれるなど、行政区画の再編が繰り返された時期があります。824年に小値賀島・徳羅島などの再編を経て「66国2島(壱岐・対馬)」の計68行政区分として制度が定着しました。

それにもかかわらず「六十余州」と総称され続けた理由には、以下の3つの歴史的・言語的背景があります。

第一に、制度発足時に基本となる国の数が60カ国前後で推移していた時期の呼び名が慣習化した点です。第二に、古代中国の地理概念に倣い、日本全土を壮大に表現するための雅称として「六十余州」という語感が好まれたことが挙げられます。第三に、68国を「六十八州」と呼ぶよりも、端数を包摂した「六十余」とするほうが詩歌や軍記物語(『平家物語』や『太平記』など)のリズムに調和しやすかったという文学的側面も大きく影響しています。

【五畿七道と令制国一覧】旧国名地図で見る古代日本の地域区分と現在の都道府県

律令制における諸国一覧は、中央(都)を中心とする「五畿」と、そこから四方に延びる幹線道路沿いの地域区分「七道」から構成される五畿七道(ごきしちどう)に基づいています。

日本全国の旧国名地図と現在の47都道府県の対比関係を整理すると、現代の地域アイデンティティがいかに旧国名に根ざしているかが浮き彫りになります。

【五畿(畿内:現在の近畿中核部)】
・山城(京都府南部)、大和(奈良県)、河内・和泉(大阪府東部・南部)、摂津(大阪府北部・兵庫県南東部)

【七道(全国主要エリア)】
東海道(15国):伊賀、伊勢、志摩、尾張、三河、遠江、駿河、伊豆、甲斐、相模、武蔵(東京都・埼玉県・神奈川県東部)、安房、上総、下総、常陸
東山道(8国):近江、美濃、飛騨、信濃、上野、下野、陸奥(東北東部)、出羽(東北西部)
北陸道(7国):若狭、越前、加賀、能登、越中、越後、佐渡
山陰道(8国):丹波、丹後、但馬、因幡、伯耆、出雲、石見、隠岐
山陽道(8国):播磨、美作、備前、備中、備後、安芸、周防、長門
南海道(6国):紀伊、淡路、阿波、讃岐、伊予、土佐
西海道(11国+2島):筑前、筑後、豊前、豊後、肥前、肥後、日向、大隅、薩摩、壱岐、対馬

廃藩置県を経て1871年に近代的な都道府県制へと移行したものの、天気予報の地域区分、JR各線の路線名(東海道本線、山陽本線など)、銘柄米や特産品の冠名(魚沼産コシヒカリの「越後」、讃岐うどん、信州そばなど)に至るまで、旧国名は現代人の生活空間に色濃く残り続けています。

【浮世絵の金字塔】歌川広重『六十余州名所図会』の魅力と全作品の見どころ解説

江戸時代後期、幕末の1853年(嘉永6年)から1856年(安政3年)にかけて刊行されたのが、稀代の浮世絵師・歌川広重による『六十余州名所図会』です。名所江戸百景と並ぶ広重晩年の代表作として名高く、国内外の美術館や愛好家から極めて高い評価を集めています。

全作品一覧の構成は、五畿七道に属する68国それぞれから厳選した名所1図ずつに、将軍のお膝元である「江戸」の1図、そして目録(タイトル画)を加えた全70枚で成り立っています。

本作における最大の視覚的特徴は、浮世絵風景画で標準的だった横長構図を捨て、全面に「縦長(竪絵)」構図を採用した点にあります。縦構図を活かした天地のダイナミックな遠近法と、広重ならではの藍色(ヒロシゲブルー)や夕暮れのグラデーション(ぼかし技術)が惜しみなく投入されました。

代表的な傑作として知られるのが、『阿波 鳴門の風波』です。縦の画面いっぱいに渦巻く激しい白波と紺碧の海水の対比は、浮世絵史上に残る迫力を生み出しています。また、深い山中に架けられた危うい吊り橋をスリリングに描いた『飛騨 籠渡し』や、雪化粧した宮嶋の鳥居を描いた『安芸 厳島祭礼之図』など、現地取材が困難だった遠隔地については当時の地誌・案内記を巧みに再構成し、旅情を掻き立てる幻想的な名所空間を完成させました。

【長崎・波佐見の銘酒】今里酒造が醸す日本酒「六十余州」の特徴と純米吟醸の評判

歴史用語や浮世絵の世界だけでなく、現代の日本酒市場において全国の愛飲家を唸らせている銘柄が、長崎県東彼杵郡波佐見町に蔵を構える今里酒造の日本酒「六十余州」です。

創業は江戸時代後期の1772年(明和9年)。陶磁器の街として世界的に有名な波佐見の地で、250年以上の歴史を刻む老舗蔵です。銘柄名「六十余州」には、「日本全国(六十余州)の津々浦々で人々に愛飲される旨い酒を造りたい」という創業期からの真摯な志が込められています。

今里酒造が位置する波佐見は、四方を山に囲まれた盆地気候で、冬場の厳しい寒仕込みに適した環境を誇ります。仕込み水には多良岳山系の清冽な軟水を使用し、長崎県産米を中心とした良質な酒米と熟練の蔵人による手作業の麹造りが徹底されています。

看板商品である「純米吟醸 山田錦」の評判は、日本酒専門誌やコンペティションでも際立っています。グラスに注ぐと広がる穏やかで上品な吟醸香、口に含んだ瞬間のふくよかな米の旨味、そして軟水仕込み特有のなめらかな舌触りとキレの良い後口が高く評価されています。魚介類の宝庫である長崎の風土に寄り添ってきた酒質は、刺身や白身魚の塩焼き、さらには繊細な和食全般と抜群の相性を発揮します。

【文化の継承】日常に残る旧国名と「日本全国」を表す言葉の変遷

「六十余州」という言葉自体は古典的な表現となったものの、私たちが日常的に触れる言葉の中には、旧国名に由来するものが無数に存在します。

例えば自動車のナンバープレートには「尾張小牧」「伊勢志摩」「飛騨」といった旧国名が採用され、地域ブランドの強化に寄与しています。また、大相撲の力士の四股名(しこな)にも、故郷や所属部屋ゆかりの旧国名(「若隆景」の陸奥、「栃ノ心」の春日野部屋ゆかりの文字など)が好んで取り入れられてきました。

かつて人々が旅をするとき、峠を一つ越えて「別の国」へ入ることは、文化や方言、気候ががらりと変わる大冒険を意味していました。「六十余州」という概念は、単なる行政単位の集合体ではなく、多様な地域文化がモザイク状に寄り集まってひとつの「日本」を形作っているという、重層的な国土観を象徴する言葉として現在も受け継がれています。

【六十余州】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:六十余州の中に北海道や沖縄は含まれていますか?
A1:含まれていません。「六十余州」は古代律令制に基づく「五畿七道(68国)」を指すため、明治時代以降に編入・設置された北海道(蝦夷地)や沖縄県(琉球王国)は対象外となっています。

Q2:歌川広重の『六十余州名所図会』の実物や復刻版を見ることはできますか?
A2:東京国立博物館や太田記念美術館などの浮世絵所蔵館で企画展の際に原本が展示されるほか、国立国会図書館デジタルコレクションや各美術館のオープンアクセスアーカイブで全70作品の高精細デジタル画像を無料で鑑賞できます。

Q3:日本酒「六十余州」はどこで購入できますか?初心者におすすめの種類は?
A3:全国の特約地酒専門店や今里酒造の公式オンラインショップ、長崎県内の主要百貨店・空港で購入可能です。初めて飲む方には、華やかな香りと透明感のある旨味のバランスに優れた「純米吟醸 山田錦」や、食中酒として万能な「特別純米酒」が推奨されます。

まとめ:歴史と美意識が息づく「六十余州」の奥深さを味わう

「六十余州」という響きの奥には、68に分かれた古代日本の国土編成、浮世絵師が描いた豊かな四季と旅路の風景、そして全国へ旨い酒を届けようとした職人の情熱が凝縮されています。

言葉の背景を知ることで、歴史散策や美術鑑賞、さらには旅先で味わう一杯の地酒がより奥深いものへと変化します。かつての旅人たちが見上げた風土の魅力に思いを馳せながら、日本の歴史文化の豊かさを改めて体感してみてはいかがでしょうか。 (出典: 六 十 余 州(Yahoo!ニュース)

六 十 余 州
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