なぜバオッキーは最下位に?720位転落の真相と公式救済劇の軌跡
歴代のポケットモンスターシリーズにおいて、全ポケモンの頂点を決める大規模企画として大きな話題を呼んだ「ポケモン総選挙720」。数多の人気怪獣たちがしのぎを削るなか、栄えある1位の座を射止めたのが『ポケットモンスター X・Y』で登場したゲッコウガでした。しかし、この伝説的なイベントでファンの記憶に最も深く刻まれたのは、華々しいトップ争いだけではありません。全720匹の中で単独最下位となる「720位」に沈んだバオッキーの存在でした。
発売当時から決して悪目立ちしていたわけではないバオッキーが、なぜ誰からも選ばれず最下位に転落してしまったのか。その決定的な要因と、その後に公式が展開した前代未聞の救済プロジェクト、そして「愛されネタ枠」として不動の地位を築いた現在に至るまでのストーリーを紐解きます。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:2016年に開催された「ポケモン総選挙720」において、バオッキーは全720匹中「単独720位(最下位)」という衝撃的な結果を記録した。
- 要点2:最下位の主因は嫌われていたからではなく、イッシュ地方の強力な炎枠の存在やアニメ露出の差による「影の薄さ」と「ネタ票すら集まらない無風状態」にあった。
- 要点3:公式による異例の「応援キャンペーン」と限定配布をきっかけに、現在ではファンから親しまれる唯一無二の“愛されネタ枠”へと昇華している。
【ポケモン総選挙720】歴代最多投票で起きた波乱|ゲッコウガ1位とバオッキー720位
2016年、映画『ポケモン・ザ・ムービーXY&Z ボルケニオンと機巧のマギアナ』の公開を記念して実施された「ポケモン総選挙720」は、当時発見されていたボルケニオンまでの全国図鑑720匹すべてを対象とする前代未聞の公式人気投票でした。総投票数は50万票を超え、子供から大人まで巻き込んだ一大ムーブメントとなります。
結果は、アニメ版での活躍も目覚ましかったゲッコウガが1位に輝き、映画館での特別なゲッコウガ配布が決定。2位にアルセウス、3位にミュウと伝説・幻のポケモンが上位を占める順当なランキングが形成されました。
その一方で、ランキング発表セレモニーで会場およびネット配信の空気を一変させたのが、最下位となる720位にランクインしたバオッキーでした。誰しもが「どのポケモンが最下位になるのか」を固唾をのんで見守るなか、画面に映し出されたバオッキーの少し間の抜けたポーズと表情は、瞬く間にSNS上を席巻することになります。
なぜバオッキーは最下位になったのか?決定的な3つの不人気理由を解剖
バオッキーが決して嫌悪されていたわけではないにもかかわらず、なぜ1票も集まらないかのような事態に陥ったのか。その背景には、ゲーム環境とメディア展開が複雑に絡み合った3つの決定的理由が存在します。
第1の要因は、初登場となった『ポケットモンスターブラック・ホワイト』(イッシュ地方)における炎タイプ層の厚さと役割の被りです。序盤で手に入るいわゆる「3猿」(ヤナップ・バオップ・ヒヤップ)の一角として旅の序盤を支えるポジションでしたが、同世代にはダルマッカ・ヒヒダルマ、シャンデラ、ウルガモスといった対戦・ストーリーの両面で圧倒的な強さと個性を放つ炎ポケモンが多数存在しました。クリア後や対戦環境において、あえてバオッキーを使い続ける動機が薄れてしまったのです。
第2の要因は、メディアミックスにおける露出度の格差です。くさタイプのヤナップはアニメ版で主要キャラクター・デントの相棒としてレギュラー出演し、高い知名度と愛着を獲得しました。みずタイプのヒヤッキーもジムリーダーの切り札として印象を残すなか、バオッキーはアニメやスピンオフでの見せ場に恵まれず、印象の薄さが際立つ結果となってしまいました。
第3の要因は、人気投票特有の心理による「ネタ票すら入らない完全なエアポケット」です。コイルのようにネットミーム化して組織票を集めることもなく、極端にデザインが奇抜で話題になるわけでもない。「嫌いではないが、一番好きとは言えない」という中庸な立ち位置が仇となり、誰も投票ボタンを押さないという皮肉な結果を生み出してしまいました。
公式が神対応!異例の「バオッキー応援キャンペーン」と配布イベントの裏側
最下位が確定した直後、株式会社ポケモンが見せた対応はファンの度肝を抜くものでした。不名誉な結果を闇に葬るのではなく、逆手に取った前代未聞の「バオッキー応援キャンペーン」を大々的に打ち出したのです。
2016年6月下旬から7月中旬にかけて、全国のポケモンセンターおよびポケモンストアにて、公式による異例の救済企画がスタートしました。
このキャンペーンでは、店舗スタッフが「最下位になっちゃったバオッキーをみんなで応援しよう!」と呼びかけ、来店者には泣き笑いのような表情を浮かべたバオッキーの特製PR名刺カードが手渡されました。さらに、当時の最新作であった『ポケットモンスター X・Y・オメガルビー・アルファサファイア』向けに、特別な技を覚えたバオッキーのローカル通信配布イベントまで実施されたのです。
この自虐とユーモアを交えた公式の温かいプロモーションは、「公式に見捨てられなかった」「むしろ1位より目立っているのではないか」とファンコミュニティから大絶賛を浴びることになりました。
ネットの反応と逆転現象|「不人気」から「愛されネタ枠」へと昇華した道のり
総選挙直後は「不人気ポケモン」という不名誉なレッテルを貼られかけたバオッキーでしたが、公式キャンペーンとファンの交流を通じてその評価は180度転換します。
当時のネット上では、掲示板やTwitter(現X)を中心に「全720匹の中で一番名前を呼ばれたポケモン」「実質準優勝」といった愛のあるツッコミが殺到。ファンアートや応援メッセージが多数投稿されるなど、ネットミームとしての「愛され最下位枠」が完全に確立されました。
単に人気がないだけの存在から、「あの伝説の720位」という強力なアイデンティティを手に入れたバオッキーは、ポケモン界屈指のドラマを持つ存在として独自のポジションを築き上げたのです。
【2026年最新】現在のバオッキーを取り巻く環境とファンのリアルな声
総選挙から年月が経過した現在でも、ポケモンファンの間では「総選挙といえばバオッキー」という共通認識が色濃く残っています。
近年の完全新作や派生タイトルにおいて、地方図鑑への内定・未内定が発表されるたびに、SNSでは「バオッキーは無事に入国できるのか」「早く最新ハードの美麗なグラフィックで720位の勇姿を見たい」といった声が定期的にトレンド入りするほどです。
かつては「空気」「地味」と評されたポケモンが、1つのイベントをきっかけにファンの心に永遠に刻まれる存在となった事例は、ポケモン30年近い歴史の中でも極めて珍しいサクセスストーリーとして語り継がれています。
【バオッキーの最下位】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:ポケモン総選挙720でバオッキーの次に順位が低かったポケモンは誰ですか?
A1:719位はイッシュ地方の「コマタナ」でした。ただし、コマタナは進化形のキリキザン(後にドドゲザンが登場)が対戦で人気を博していたこともあり、バオッキーほど単独で話題になることはありませんでした。
Q2:ポケモンセンターで配布されたバオッキーはどんな特徴がありましたか?
A2:配布されたバオッキーの親名は「そうせんきょ」となっており、通常では覚えない特別な技ではなく標準的な技構成(かえんほうしゃ、くさむすびなど)でしたが、記念のリボンと持ち物「いのちのたま」を所持したファン垂涎のメモリアル個体でした。
Q3:今後再び全ポケモンの人気投票が行われた場合、バオッキーの順位はどうなるでしょうか?
A3:現在のバオッキーは「伝説の最下位」として圧倒的な知名度と愛着を獲得しているため、次回の大規模投票が開催された場合はネタ票や救済票が集中し、順位が大幅に跳ね上がる可能性が極めて高いとファンの間で予想されています。
まとめ:最下位という不名誉を最大の個性へ変えた奇跡のポケモン
バオッキーが残した「720位」という記録は、一見すると不名誉な歴史のように思えます。しかし、公式のウィットに富んだ救済劇と、それに応えた温かいファンコミュニティによって、それは他に代えがたい唯一無二のチャームポイントへと生まれ変わりました。
完璧な強さや洗練されたかっこよさだけがポケモンの魅力ではありません。挫折から愛されキャラへと昇華したバオッキーの軌跡は、多様な個性を受け入れるポケモンカルチャーの奥深さを象徴するエピソードとして、これからも多くのファンに笑顔を届け続けるはずです。 (出典: バオッキー 最 下位(Yahoo!ニュース))