従三位とは?受章基準や特権の真相・正三位との違いを徹底解説

目次
従三位とは?受章基準や特権の真相・正三位との違いを徹底解説
従三位とは?受章基準や特権の真相・正三位との違いを徹底解説
@ creator • Click to Play Video Inline
🎵 従三位とは?受章基準や特権の真相・正三位との違いを徹底解説

ニュース速報で著名な政治家や学術関係者が亡くなった際、「従三位(じゅさんみ)に叙された」という報道を目にする機会は少なくありません。しかし、学校の日本史で習った記憶はおぼろげで、現代の日本においてどのような地位を意味し、誰がどのような基準で選ばれているのかを正確に把握している人は多くないのが実情です。

古代の律令時代から1300年以上の歴史を持つ「位階制度」において、従三位は国家の中枢を担う限られた要人だけに許された特別なステータスでした。本記事では、従三位の正しい読み方や序列、現代における受章基準から年金・特権の真偽、さらに一歩上位である「正三位」との決定的な違いまで、分かりやすく紐解きます。

📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
  • 要点1:従三位(じゅさんみ)は全16階ある位階令の上位6番目に位置し、古代から「公卿(上達部)」と呼ばれる最高幹部の境界線だった。
  • 要点2:現代では大臣経験者や最高裁判事、ノーベル賞級の学者などが逝去した際、国家や公共への顕著な功績を称えて閣議決定で追贈される。
  • 要点3:日本国憲法第14条の規定により年金や減税などの特権は一切なく、純粋な名誉としての格式を誇る。

【読み方と基礎知識】「従三位」とはどんな位階?歴史とランクの位置づけ

「従三位」の正式な読み方は「じゅさんみ」です。歴史的文脈や一部の慣用で「じゅうさんみ」と発音されるケースもありますが、宮内庁や内閣府の公式な呼び方としては「じゅさんみ」で統一されています。

日本の位階制度は、1926年(大正15年)に公布された「位階令」に基づいて体系化されています。最高位の「正一位」から「少初位下」まで細かく区分されており、その中で従三位は上から数えて6番目に位置する極めて高い序列です。

古代律令制において、三位以上の者は「公卿(くぎょう)」または「上達部(かんだちめ)」と呼ばれ、天皇の側近として国政を主導する絶対的な権力者層を指しました。四位や五位の貴族(通貴)とは明確な一線が引かれており、従三位に昇ることは一族の繁栄を左右する最大の栄誉だったのです。

順位位階名称歴史的・現代の主な対象目安
1位〜2位正一位 / 従一位内閣総理大臣経験者で傑出した功績者(大功労者)
3位〜4位正二位 / 従二位首相経験者、衆参両院議長、最高裁判所長官など
5位正三位三権の長経験者、極めて顕著な功績を挙げた国務大臣
6位従三位国務大臣(閣僚)経験者、最高裁判事、世界的学者
7位〜8位正四位 / 従四位副大臣、国会議員永年在職者、事務次官など

現代における「従三位」の叙位基準|どのような人物・功績が対象となるのか

テレビのニュースや新聞で「従三位」という言葉を目にするのは、基本的に対象者が逝去(他界)した直後です。これは、現行の憲法運用下において、存命者への叙位が停止されており、国家に尽力した人物の死没時にその功績を称える「没後叙位(追贈)」が原則となっているためです。

内閣府賞勲局が定める叙位の運用基準において、従三位の対象となる主な役職・功績は次のように定められています。

  • 閣僚経験者:内閣官房長官、外務大臣、財務大臣などの国務大臣を歴任した政治家
  • 司法関係者:最高裁判所裁判官、検事総長
  • 地方自治の要職:東京都知事や政令指定都市などの大規模自治体で長期にわたり功績を残した首長
  • 学術・文化の最高権威:ノーベル賞受賞者、文化勲章受章者、日本学士院会員として世界的業績を挙げた研究者

叙位の手続きは、故人の死後に所管官庁からの推薦を受け、内閣総理大臣が議長を務める閣議決定を経て、天皇陛下の裁可(御署名)によって正式に発令されます。単に要職に就いていたという事実だけでなく、生涯を通じた清廉性や公共への貢献度が厳密に審査されます。

「正三位」と「従三位」の決定的な違いとは?三権の長と閣僚のボーダーライン

位階制度において、多くの人が混同しやすいのが「正三位(しょうさんみ)」と「従三位(じゅさんみ)」の違いです。わずか1ランクの差に見えますが、国家運営における責任の重さと格式には明確な境界線が存在します。

最大の相違点は、「三権の長」を務めた経歴があるかどうかです。

正三位は、内閣総理大臣、衆議院議長、参議院議長、最高裁判所長官といった国家権力のトップに就任した要人、あるいは閣僚の中でも長期にわたり重大な国家課題を解決した人物に贈られる傾向があります。これに対し、従三位は一般的な国務大臣(閣僚)経験者や最高裁判所判事に対する標準的な最高峰ランクとして運用されています。

また、学術分野においても、文化功労者クラスが従四位〜正四位にとどまることが多いのに対し、世界的な大発見によってノーベル賞を受賞したクラスの研究者は、没後に従三位や正三位へと大きくステップアップして叙位されるケースが目立ちます。

金銭や年金の支給はある?「従三位の特権」にまつわる誤解と真実

「従三位を授与されると、遺族に特別な年金が入るのではないか」「税金が免除される特権があるのでは」といった噂がインターネット上で散見されますが、これらはすべて完全な誤解です。

明治から戦前にかけての旧憲法下では、位階に応じた拝謁の礼遇や一定の年金(恩給的加算)が付与されていた時代もありました。しかし、1947年に施行された日本国憲法第14条第3項には次のような絶対的な原則が定められています。

「栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。」

この憲法規定により、現代の従三位には金銭の支給、遺族年金の加算、税制上の優遇、公共料金の減免といった実利的な特権は一切存在しません。授与されるのは、天皇陛下のお名前が記された「位記(いき)」と呼ばれる格式高い証書のみです。

実利がないにもかかわらず従三位が重んじられる理由は、それが「国家が個人に対して捧げる最高級の敬意と追悼の証」であるためです。遺族にとっては、故人が国のために尽くした生涯を公的に証明する無二の誇りとなります。

勲章と位階の違いとは?叙位叙勲のシステムをわかりやすく比較解説

ニュースで「旭日大綬章を受章し、従三位に叙された」というように、「勲章」と「位階」が同時に報じられることが多いため、両者の違いが分かりにくいと感じる読者も少なくありません。

両者の本質的な違いを簡潔にまとめると、以下のようになります。

  • 勲章(叙勲):「功績の内容」に対して贈られるもの。旭日章(国家・公共への功労)や瑞宝章(公務等への長年の従事)などがあり、生存中(春・秋の叙勲)にも授与される。章牌(メダル)が現物として交付される。
  • 位階(叙位):「人物の格式・序列」を表すもの。正一位から少初位までの一連のランクであり、現代では原則として死没時にのみ追贈される。メダルではなく「位記(証書)」が交付される。

国家に多大な貢献をした要人が亡くなった場合、政府はその功績を総合的に評価し、勲章(例:旭日大綬章や重光章)の追贈と同時に、その人物の格式に見合った位階(従三位など)を授けるのが通例となっています。

【歴代の主な叙位者】歴史上の偉人から近年の著名人・ノーベル賞受賞者まで

従三位の歴史は長く、教科書に登場する歴史上の英雄から、近年の科学技術発展を支えた大物学者まで、錚々たる顔ぶれが名を連ねています。

【歴史上の主な従三位】
戦国時代から江戸時代にかけては、織田信長(初期の叙位)、徳川家康の重臣たち、名門公家などが従三位に叙されています。また、幕末の志士である西郷隆盛や坂本龍馬なども、明治維新後に功績を再評価され、正四位や従三位などが追贈されました。

【近現代の主な叙位者(学術・文化・政界)】
学術界では、日本人初のノーベル物理学賞を受賞した湯川秀樹氏が没後に従三位を授与されています。さらに、小柴昌平氏(物理学賞)をはじめとする歴代の世界的科学者、文化芸術で多大な足跡を残した文化勲章受章者たちも従三位に叙されています。

政界においては、多くの閣僚経験者や長年国会運営を支えた大物議員が、生涯の幕引きに際して従三位を受け、その功績を讃えられています。

【従三位とは】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:従三位の正しい読み方は何ですか?
A1:正式な読み方は「じゅさんみ」です。「じゅうさんみ」と読まれることもありますが、公的な場や報道では「じゅさんみ」が標準となっています。

Q2:一般の市民が生前に従三位をもらうことは可能ですか?
A2:不可能です。現在の制度運用上、位階の授与は原則として「没後叙位(死亡後の追贈)」に限られており、存命中に授与されることはありません。また、対象も国務大臣や最高裁判事、世界的研究者など、極めて高い功績を残した人物に限定されます。

Q3:従三位に叙されると、遺族にお金や年金は支給されますか?
A3:金銭や年金は一切支給されません。日本国憲法第14条によって栄典に伴う特権の付与が禁じられているため、受け取れるのは名誉の証書である「位記」のみです。

Q4:正三位と従三位ではどちらが偉いのですか?
A4:正三位の方が上位です。位階令において「正(しょう)」は「従(じゅ)」より1ランク上に位置します。正三位は主に首相や衆参議長などの三権の長経験者に、従三位は閣僚経験者などに贈られます。

まとめ:日本の伝統が息づく最高峰の名誉「従三位」の意義

従三位は、千年以上前の公卿文化を起源とし、現代の法制度においても国家最高クラスの敬意を示す位階として厳格に受け継がれています。

金銭や特権が一切付与されないにもかかわらず、その重みが失われない理由は、私利私欲を超えて公のために一生を捧げた人物に対する「国からの感謝状」としての格式があるからです。今後ニュースで「従三位」の報に触れた際は、その人物が国家や社会にどのような足跡を残したのか、その偉大な生涯に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。 (出典: 従 三 位 と は(Yahoo!ニュース)

従 三 位 と は
従 三 位 と は
従 三 位 と は